ピアノで遊ぼう!

私の教室は、近所から通って来てくれている子もいて、時々練習している音を耳にすることもあります。先日もどこからかピアノの音が。。。ん?この曲は何の曲だっけ?しばらく聴いていて、どこから聞こえてきているのかがわかりました。生徒のSちゃんが弾いているピアノの音でした。なんですぐにSちゃんの音と気づかなかったかと言えば、今週の宿題ではなくて、以前に練習していた曲が次々聞こえてきたからなのでした。とっても嬉しく、また温かい気持ちになりました。今まで練習した曲が、Sちゃんにとってレパートリーになり、ピアノの蓋を開けた時に弾きたくなる曲になっていたのでした。合格したら終わりではなく、時々弾いては楽しむ。なんてピアノといい付き合いをしているんでしょう。

話は変わって、10月の発表会に向けてみんな練習に励んでいますが、私は生徒にコピー譜を渡すことはせず、全員に楽譜の購入をお願いしています。たった1曲のためにと思われる方も少なくないと思いますが、作品は大事な財産で、決してコピー代10円で手に入れられるものではないのです。かつて留学していたフランスの音楽学校には、各レッスン室に「コピー譜の使用を見つけた場合は即退学してもらいます」と張り紙がしてありました。こうして文化を守ろうとする姿勢は、さすがフランスです。さて、話はちょっとそれてしまいましたが、楽譜をせっかく購入したのですから、練習している曲以外のページも開いて、弾いてみたり、聴いてみたりして、ぜひ遊んで欲しいのです。それで読譜力もつくし、新しい世界に触れることもできます。せっかくピアノをやっているいるのですから、宿題だけにとどまらない付き合いを広げて欲しいと思っています。