アーティキュレーション

最近、子供たちにわかりやすく説明するためのカードを作ることにはまっています。アーティキュレーションを可視化することで、子供たちにうまく伝わって、それがすぐに音として表れています。

アーティキュレーションによって、メロディーのキャラクターは大きく変わります。

体験レッスンの時に、「ひびきさんが聴こえなくなるまで聴いてみよう!」といって、ピアノの単音が減衰して聴こえなくなるまでよーく耳を傾けます。これが音をよく聴く入り口になります。「聞く」ではなく「聴く」ようにするのです。ひびきさんがベースにあることで、スタッカートは音価の約半分で、メッツォスタッカートは約4分の3、スターカティシモは約4分の1で離鍵するまでをよく聴くようになります。スタッカートというと、跳ねるとか短く切るとよく表現されますが、響きをよく聴き、手が離れる瞬間を意識することが大事で、跳ねることを意識するあまり何の音を弾いたのかわからないような響きない音になってはいけません。もちろん長さは目安で、その曲のキャラクターによって、長さは微調整されます。

レガートは、減衰している響きに隙間なく次の音を演奏します。次の音を出るその瞬間まで、その音を聴き続けなければなりません。

アクセントは、響きの立ち上がりが大きい音。もちろん、その音がpの中のアクセントなのかfの中のアクセントなのかで立ち上がり方は変わります。

テヌートとノンレガートはどちらも打鍵した響きの減衰が少ないまま(あくまで私のイメージですが)、次の音と間に隙間を作ります、テヌートは隙間がない場合もあります。音楽のペーパーテストで必ず出題されるテヌートを調べると「その音の長さを十分に保って」とあるのですが、子供の頃、何を言っているかのか全くよくわかりませんでした。えっ?ふつう、どの音もちゃんと音価を守ってのばしてるけど?と思っていました。その音をていねいに大事に響かせようとするのがテヌートなんですよね。

導入期から初級に入る頃、アーティキュレーションの指示がたくさん出てくるようになりますが、音の高さやリズム、指番号だけでなく、アーティキュレーションも同時にしっかりと読めるようになって欲しいものです。